遺族年金はいくら出るか 生命保険の額を決める前に

公開 2026年10月1日・保険のへらしかた編集部

結論

18歳未満の子がいる配偶者には遺族基礎年金(子2人なら年1,334,900円)が出て、亡くなった人が会社員なら遺族厚生年金も出ます。年収600万円の会社員・子2人なら、合わせて月16万円ほどです(令和8年度)。生命保険で備えるべきなのは、家族の生活費のうち、これと配偶者の収入・貯蓄では足りない分です。

遺族基礎年金

国民年金に入っていた人が亡くなったとき、18歳になった年度の末までの子がいる配偶者か、その子に出ます。会社員も自営業も同じです。額は子の人数で決まります(令和8年度)。

子の人数1年の額1か月にすると
1人1,091,100円約9.1万円
2人1,334,900円約11.1万円
3人1,416,200円約11.8万円

配偶者の基本の額847,300円に、子1人目・2人目は243,800円ずつ、3人目からは81,300円ずつ足した額です。子が18歳になった年度の末を過ぎると、その子の分はなくなり、子がいなくなると遺族基礎年金は止まります。

遺族厚生年金

亡くなった人が会社員・公務員(厚生年金に入っていた)なら、遺族厚生年金も出ます。額は、亡くなった人が老後にもらうはずだった厚生年金(報酬比例の部分)の4分の3です。在職中に亡くなったときは、加入が25年(300か月)に満たなくても25年あったとみなして計算します。

ボーナスを含めた年収で、加入が25年以下の人なら目安は次のとおりです。

亡くなった人の年収遺族厚生年金(1年)
300万円約31万円
450万円約46万円
600万円約62万円
750万円約77万円
900万円約92万円

加入が25年より長い人や、2003年3月より前の加入期間がある人は、実際の額が少し変わります。正確な額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確かめられます。

合わせるといくらか

会社員の人が亡くなって、18歳未満の子が2人いる場合です。

亡くなった人の年収遺族年金の合計(1年)1か月にすると
450万円約180万円約15万円
600万円約195万円約16万円
750万円約211万円約18万円

これに配偶者の収入を足した額が、遺族の毎月の収入になります。

子が18歳を過ぎたあと

子が18歳になった年度の末を過ぎると遺族基礎年金は止まり、遺族厚生年金は配偶者に続きます。40歳から65歳までの妻には、遺族基礎年金がない間、中高齢寡婦加算(年635,500円)が足されます。

2028年4月からの見直し

2025年の法改正で、2028年4月から遺族厚生年金が見直されます。遺族年金がなくなるわけではありません。

  • 60歳未満で子のない配偶者は、原則5年間の有期の給付になります(夫と妻の差がなくなり、これまでもらえなかった55歳未満の夫ももらえるようになります)。
  • 18歳未満の子を養っている間は、今と同じです。
  • 2028年3月までに受け取り始めた人、2028年度に40歳以上になる妻などには、経過措置があります。

子育て中の家族が「やめたらどうなるか」を考えるときは、当面これまでの額で計算して差し支えありません。子が育ったあとの配偶者の暮らしは、見直しの影響を受けることがあります。

生命保険の額の考え方

死亡保険で備えるのは、次の計算で残る分です。

  1. 遺族の生活費: 今の生活費の7割ほど(亡くなった人の食費や小遣いが減る分を引く)
  2. 遺族の収入: 遺族年金+配偶者の収入
  3. 毎月の不足(1−2)× いちばん下の子が18歳になるまでの月数
  4. 3から家の貯蓄を引く

住宅ローンがあって団信に入っていれば、ローンの返済は生活費から外せます(住宅ローンと団信)。トップの計算で、自分の条件を入れて計算できます。

Q. 遺族年金は廃止されるのですか? A. 廃止されません。2028年4月から、60歳未満で子のない配偶者への遺族厚生年金が原則5年の有期になる見直しです。18歳未満の子を養っている間は今と同じです。

Q. 夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合で違いますか? A. 遺族基礎年金は、子がいれば夫でも妻でも受け取れます。遺族厚生年金は今は夫に年齢の条件がありますが、子がいる間は子に出るので、家族として受け取る額は大きく変わりません。