医療保険を解約して後悔するか 国の保障でまかなえる分と残る負担

公開 2026年10月1日・保険のへらしかた編集部

結論

医療保険がなくても、医療費の自己負担には上限があります(年収370万〜770万円なら1年に最大53万円)。ただ、治療が何年も続けば毎年この額までかかり、入院中の食事代や個室代、働けないあいだの収入の減りは別にかかります。解約するとこれを貯蓄と収入でまかなうことになります。特に、貯蓄が少ない人、自営業で休むと収入が止まる人、持病があって入り直せない人は、解約して後悔しやすくなります。

国が払う分と医療保険が払う分

入院や手術でかかるお金のうち、大きな部分は国の制度で上限があります。

かかるお金国の制度医療保険がないとき
医療費(治療・手術・薬)高額療養費で1か月・1年の自己負担に上限がある上限までを自分で払う
働けないあいだの収入会社員は傷病手当金で給与の約3分の2(最長1年6か月)会社員は残り3分の1、自営業は全部が減る
入院中の食事代・差額ベッド代対象外自分で払う
先進医療の技術料対象外自分で払う

69歳以下・年収370万〜770万円の人なら、医療費の自己負担は1か月85,800円ほど、1年53万円までです(2026年8月から。高額療養費の記事)。医療保険の入院給付金は、主にこの上限までの分と、表の下2行を補うものです。解約すると、この分はすべて貯蓄と収入から払うことになります。

医療保険の役目が小さい人

  • 貯蓄に余裕がある: 1年の上限までの医療費を、何年か続いても貯蓄から払える。
  • 会社員・公務員: 長く休んでも、傷病手当金で給与の約3分の2が最長1年6か月出ます(傷病手当金の記事)。それを過ぎると出ません。
  • 個室にこだわらない: 差額ベッド代は、自分で希望しなければかかりません。

役目が小さくても、解約すれば入院給付金はもう出ません。保険料の負担と、病気が長引いたときに貯蓄を取り崩す負担のどちらを取るか、という選び方になります。

解約して後悔しやすい人

  • 貯蓄が少ない: 1年の上限まで医療費がかかると、貯蓄で払いきれないことがあります。
  • 自営業・フリーランス: 国民健康保険には傷病手当金がありません。入院中は収入が止まり、医療保険の入院給付金がその間の生活費になることがあります。
  • 持病や通院がある: 解約したあと、新しい医療保険に入れないか、その病気が保障の対象外になることがあります。
  • 先進医療や個室を使いたい: どちらも高額療養費の対象外です。

解約の前に確かめること

  1. 死亡保険の特約として付いていないか: 終身保険などに医療特約として付いている場合、主契約をやめると医療の保障も一緒になくなります。反対に、医療特約だけ外して保険料を下げられることもあります。
  2. がん保険や先進医療特約が含まれていないか: 一緒に解約すると、入り直すときにがん保険は保障が始まるまで90日待つのが一般的です。
  3. 入り直すなら順番を守る: 新しい保険の保障が始まってから、今の保険を解約します(解約のタイミング)。

Q. 医療保険はいらないと言われるのはなぜですか? A. 日本の健康保険には高額療養費があり、医療費の自己負担に上限があるからです。会社員なら傷病手当金で働けないあいだの収入も一部続きます。ただ、上限までの負担は治療が続くかぎり毎年かかり、食事代や個室代、収入の減りは別にかかります。それを貯蓄と収入で払えるかどうかで、医療保険の役目の大きさが変わります。

Q. 医療保険を解約したあとに入院したら、いくらかかりますか? A. 69歳以下・年収370万〜770万円の人なら、医療費は1か月85,800円ほどまでで、これに入院中の食事代と、希望すれば差額ベッド代が加わります。